活動報告 「空っぽのやつでいっぱい」

12月25日(月)に行われた会合についての報告です。今回の会合は太田氏によるブックレビューでした。

太田氏が取り上げた書は『空っぽのやつでいっぱい』(著:アボガド6)でした。初めての漫画本ということで、また新たな視点から話し合うことができたのではと思います。

特徴

いくつかの短編小説で構成されているが人物、時系列、テーマともにバラバラな個々の物語が有機的につながっている。感情の描写は揃ってあいまいながらも緻密であり、氏の温かみのある絵柄も相まって、読者にもやもやした感触を与えている。またこのタイトル自体も、お決まりのパターンの組み合わせしか作れなくなっている現代エンタメ界を象徴しているかのようだ。

ストーリー自体は使い古された短編そのものであり、ある種の予定調和さえうかがわせ
るものであるが、あえてそうした展開を取り入れることでキャラクターの無個性さ(=特別ではない)を引き立て、さらには本書全体に視野を広げさせる余裕を読者に与え、構造に注目できるようにしている。こうしたストーリーの陳腐さと構造の複雑さの組み合わせでもって、『空っぽのやつでいっぱい』という題に至ったのではないか。

作者のアボガド6氏(@avogado6)は、twitterプロフィールによると、「化学が好きな一般人」とあるが、映像作家やデザイナーの仕事をこなしているとみられる。ボーカロイド曲を中心に、ニコニコ動画で映像を提供してきた。個人の映像作品集に「おばけフィルム」「おばけカタログ」がある。twitterやpixiv上で単発のイラストをアップロードしている。

太田氏は物語を整理し、登場人物は果たしてどのようなロール(役)を果たしているのかを考えたものの、はっきりとした確証には至らなかったと述べられていました。会員で議論した結果、最後には現代における作者の在り方にまで発展。時間の関係で短めの会合だったものの、内容はとても濃かったように思います。

さて今年ももう終わりですね。皆さんよいお年をお迎えください。

文責:石山

参考:作品紹介アボガド6『空っぽのやつでいっぱい』

 

 

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ツバサは、札幌の大学生を中心としたゆるーい文学サークルです。 お勧めの本を紹介したり、感想を言い合ったり、小説やエッセイ、評論、レビューなどの執筆をしたりしています。 小説以外にも、映画やアニメ、演劇、ミュージカルなどお芝居系も扱います。 御用の方はどうぞお気軽に tsubasaxsapporo@gmail.com までお願いします。
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